ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

戯曲

「ワンマンショー」倉持 裕

ワンマン・ショー倉持 裕 白水社 2004-04売り上げランキング : 234172おすすめ平均 現代版不条理劇Amazonで詳しく見る by G-Tools図書室にある戯曲を片っ端から読んでいるんだけれど、訳わからない芝居でした。 作品が不条理劇ってこともあるんだろうけれど…

「近代能楽集」三島由紀夫

三島由紀夫に付随するイメージが嫌いだ。幼い日に映像として見た、三島の割腹自殺が、マイナスイメージとして僕の脳裏にこびりついている。授業で「金閣寺」を扱ったこともあったが、必要最小限しか触れなかった。ルームルーデンスが「近代能楽集」をやると…

「アントワーヌ または挫折した恋」ジャン・アヌイ作 大久保輝臣訳

劇団四季の「ひばり」の作者だ。まあ、あれこれあれこれ様々な手法を使って楽しませてくれる。実にオーソドックスな劇という感じがする。 「現代世界演劇16」の岩瀬孝氏による解説には次のように書かれている。 一九一〇年代の流行作家だったアントワーヌ…

ポール=ロワイヤル

アンリ・ド・モンテルラン作 川口薫訳ポール=ロワイヤル伝説と言われても、なんのことやら門外漢にはさっぱりわかりません。『サンチアゴの騎士団長』『少年が君主の町』とともにカトリック三部作を完結する作品であると序文に書いてある。一読した時には、…

「大森彦七」福地桜痴

明治30年(1897年)10月、明治座初演の舞踊劇。大森彦七は、太平記に登場する人物。あの楠木正成を切腹させた人物だそうだ。日本刀おもしろ話・楠正成の怨霊と包丁藤四郎や松岡正剛の千夜千冊『日本架空伝承人名事典』大隅和雄・西郷信綱ほかに詳しい…

「土蜘蛛」河竹黙阿彌

源頼光にとりついた土蜘蛛を四天王たちが退治する話。途中で狂言が入っている所は能のような構成だ。そういえば能でも「土蜘蛛」があるね。四天王に平井保昌。大学の時に「御伽草子」で読んだ「大江山酒呑童子」を思い出す。土蜘蛛は葛城山をすみかとすると…

「ブラック・コメディ」ピーター・シェーファー作 倉橋健訳

ピーター・シェーファーというと、あの「アマデウス」の原作者なのね。 そういえば、今年、劇団四季がエクウスを4月頃やったっけ。卒業生のK丸さんから連絡をいただいていたのだけれど、見に行けなかった。さて、ブラック・コメディ。この場合の「ブラック…

「午後3時」吉井勇

何とも不思議な話。 北国の港町。捕鯨船の砲手五郎は、この一週間悪夢に悩まされている。それは死の島の夢だ。季節がなく、常に冬で、日が登る事もない。影のような人々が洞くつの中に住んでいて、他にはコウモリのような鳥と、リスのような動物が住むばかり…

「修善寺物語」岡本綺堂

面作師夜叉王は、修善寺に住んでいる。鎌倉幕府第二大将軍頼家は北條時政との権力争いに破れ、この地に幽閉されている。頼家は夜叉王に、自分の顔の面を作れと命じる。希代の面作師夜叉王は、半年の間、頼家の面作りに没頭するが、思い通りの面が作れない。…

「父帰る」菊池寛

大学で「芸術鑑賞」を受講し、芝居の脚本を書くことに決まった時、教官だった桑原先生に読むようにすすめられたのがこの戯曲だった。 帰りの電車の中で読む。すっかり忘れていたが、関西弁だったのだな。 読み返すと、さすがに上手い。 20年前に家出をした…

「ルダンの悪魔」ジョン・ホワイティング策 松原 正訳

三幕。1623年から1634年にかけて。オルダス・ハックスリーの「ルダンの悪魔」の戯曲化だそうです。グランディエという野心にあふれた世俗的に生きる司祭が主人公。悪魔払いが出てきたり、けっこう面白い。でも、日本人にはちょっと背景説明がないと…

恐怖

A・アフィノゲーノフ作 野崎韶夫訳 ソビエトの戯曲は、よくわからない。大学の研究室の権力抗争みたいな話。 なんか最後が予定調和的で、感情移入できないな。 「現代世界演劇14」に所収。ちょっといそがしくてアップする暇がなかった。ずいぶん前に読んだ…

「田舎だより」

ヨッヘン・ツィーム作 丸山匠訳 11景に分かれている。新聞報道などをもとにした市民の生活の一こまが描かれている。こういうのもおもしろいな。

「わが町」

ソーントン・ワイルダー作 鳴海四郎訳 何度読んでもいい。ニューハンプシャー州グローバーズ・コーナーズの街を舞台にした3幕の舞台。 第一幕では街の住人達のごくありふれた日常生活が描かれる。 第2幕ではそうした住人の中の一組の若者の恋愛と結婚が描…

「欲望という名の電車」

テネシー・ウィリアムズ作 鳴海四郎訳 スタンレーのエネルギッシュな感じに父の面影を見る。ああいう人間、嫌いじゃない。 ブランチ。破滅型の人間。南部の没落大地主の末えい。不幸な結婚の影を引きずり、男無しで生きられない女。嘘で固めた妄想の人生。そ…

「大いなる白人の希望」

ハワード・サックラー作 倉橋健訳 実話をもとにした黒人ボクサーの物語。ヘビー級世界チャンピオンとなり、白人女性を恋人としたために白人から敵対視され、罪を着せられて世界各地を放浪し、最後はいかさま試合で白人ボクサーにチャンピオンを奪われる。 観…

「アムステルダムのホテル」

ジョン・オズボーン作 中野里晧史訳 「怒りをこめてふり返れ」という戯曲の存在は知っていたが、読んだことはないし、見たこともない。その作者。 ロンドンの映画製作関係者の3組の夫婦が、週末にボスの目を盗んでアムステルダムに旅行をする。 第1幕はホ…

「海の上の七つの叫び」

アレハンドロ・カソーナ作 会田 由訳「不可能な喜劇」と副題がついている。たしかに誰も死なないから、喜劇と言えるのだろうが、笑えるという話ではない。最後に来て「なんだ夢おちかよ」と一瞬思ったけれど、構成の巧みさを考えると、これはこれでありなん…

「狙撃兵の影」

ショーン・オケーシー作 小田島雄志訳 原題「THE SHADOW OF GUNMAN」。 「GUNMAN」を英和辞書で引いたら、「米俗〕 ピストル所持の悪漢, 殺し屋」と出た。 アイルランドの話だから、アメリカの俗語とは意味が違うのだろうけど、「狙撃兵」という意味があるの…

「7月6日」ミハイール・シャトローフ作 佐藤恭子訳

まあ、結局はレーニン万歳!という劇なんだろうけれど、政府に対するエス・エル左派のクーデターが起こって収束するまでの、緊迫の3日間を描いたもの。ソ連が崩壊して、レーニン像が倒されてしまった現在、読み返してみると、いささか内容的には陳腐な感じ…

「ニュルンベルグ裁判」

ロルフ・シュナイダー作 小宮曠三訳 歴史的事実の持つ重みというのだろうか。 コンテンツ自体が魅力があるといえば、そうなのだが、戦勝国が敗戦国を裁くということの危険性を、最後のアメリカ側検察官陳述でこう示している。 "「われわれが被告たちを今日裁…

「憂鬱と権力」ペーター・ハックス作 五十嵐敏夫訳

東ドイツの労働者達が主人公。 粗悪な製品を大量に精算することで裕福な暮しをしていた練炭工場の労働者達と、その粗悪な練炭を使うことで生産が思うように行かず、赤貧にあえいでいるガラス工場の労働者達。やがて製品の質の向上を目指すことを決意した練炭…

「影」エヴゲーニー・シヴァルツ作 佐藤恭子訳

面白い。おとぎ話だけれど、おとぎ話として演じれば演じるほど、何か現代社会に対する風刺として生き生きとした世界が展開できそうだ。影を失った男という話があるのだろうか。これはなんかうまく脚色して女の子で演じるようにできないかな。

「アンドラ」マックス・フリッシュ作 内垣啓一訳

背筋が寒くなる。普通の人々の何気ない行動が、いつの間にか悪意に満ちたものになっていって、とうとう一人の人間を憎むべき存在へと作り上げていってしまう…。 「ユダヤ人」というコードは、被差別部落出身とか、「外人」という言葉に置き換えて、日本でも…

「寄り道」マルティン・ヴァルザー作 岩淵達治訳

「現代世界演劇10」を読み始める。 不倫相手の女のところを、何年かぶりで訪れたフーベルト社長、うまいこと言って運転手のベルベルトをどこかにやったのはいいが、死んだと思っていた女の旦那(機関区の操車係)が、のっそりと帰ってきて大慌て。弁解がこ…

「賎民の暴動稽古 ドイツの悲劇」ギュンター・グラス作 高本研一訳

「コリオラン」とこの作品を併載した編者に拍手。東ドイツの暴動の中、ブレヒトとおぼしき座長は、民衆に与するわけでもなく、その暴動の様子をテープに記録して「コリオラン」の演出に使えないかと考えていたりする。やがて民衆によって絞首刑にされそうに…

「コリオラン」(シェイクスピア原作によるブレヒトの改作)ベルトルト・ブレヒト作 岩淵達治訳

反英雄劇。というのだそうな。コリオランという英雄を、英雄として描かずに彼の暴虐性、思慮のなさ、そうしたものをえぐり出してくるわけだが、英雄として描かれるより、ぼくはこうした人間臭さが見えるほうが、人物として共感できる。 コリオランがローマを…

「アームストロングの最後のおやすみ」ジョン・アーデン作 小田島雄志訳

面白い。面白いのだが、スコットランド訛りを薩摩方言のような感じで訳しているところに、訳者の苦労が偲ばれる。 この作品の主人公であるギルノッキーは珍しく男としては欲望のままに生きている。それが潔くて好きだな。 こういう男の描き方が出きるんだな。…

「道路清掃人夫オーギュスト・Gの幻想的生活」アルマン・ガッディ作 石沢秀二訳

この巻は政治劇ということで、この作品もストライキの失敗がモチーフとなっているらしい。一人の人物が、9歳、21歳、30歳、46歳、年齢不詳(定年退職ごろ?)と5人に別れて登場してくるところが面白い。このことで、複数の回想場面と現在と未来とが…

『預言者』スワヴォーミル・ムロジェック作 米川和夫訳

面白い。夢中になって読んでいて、電車の網棚に手荷物を忘れてきてしまった。 待ち望んでいた預言者が、もしも二人表われたとしたら。そうした事態に右往左往する摂政と東方の三博士。 一人を抹殺すればいいとなって、さてどうやってそれを行うか、小使いを…