「ゲド戦記外伝」ル・グウィン作
大学3年のころ、当時神奈川県の橋本にあった「おひさま文庫」の石井さんに「ゲド戦記」を紹介された。
あれから20数年になる。その間、アースシーの世界に魅了され続けてきた。
自分を見つめ直すとか、世界の存在だとか、そうしたものについての見方の幾分なりかは、この作品群から影響を受けてきたと思う。
それにしても、オジオンが大地震を沈めたという話には、こんな背景があったのか。
ロークのあの学校は、こんな風にしてできたのか。
大賢人になったゲドが、こんなすごい魔法使いと戦っていたのか。
「とんぼ」と、アズバーとのせつない思いは、珠玉の小編と言っていい。
一編一編に、アースシーの世界を深く知ることができるエピソードが盛り込まれていて、実に楽しい。