ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

「男振」池波正太郎

再読。昨日学校へ行くのに何か本がないかなと思って池波正太郎の文庫の棚から抜き出す。

行き帰りで読了。

池波正太郎の描く男の姿には成長がある。混乱したり、絶望したりするが、自分の人生から逃げない男の姿がある。

それが読む者の心に響いてくる。

若干17歳で頭髪がすべて抜け落ちるという奇病にとりつかれた主人公の源太郎。

その姿を嘲笑した主君の若君をさんざん打擲し、監禁されるが故あって別人として生きることを許される。

実は彼は殿様の隠し子だったのだ。跡取りのはずの若君が急逝し、図らずも彼はお家騒動に巻き込まれていく。

しかし、彼は藩主の後を襲うことを拒み、市井の人間として生きることを選ぶ。

最後の場面、お家騒動から15年が経過し、大工の棟梁となった源太郎が、育ての親のもとを訪れるシーンがいい。

藩主と大工の棟梁とでは「格」が違うはずなのだが、彼には、現在のお殿様を越えるほどの「大きさ」が備わっている。

読後の爽快感がたまらない。