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「午後3時」吉井勇

何とも不思議な話。

北国の港町。捕鯨船の砲手五郎は、この一週間悪夢に悩まされている。それは死の島の夢だ。季節がなく、常に冬で、日が登る事もない。影のような人々が洞くつの中に住んでいて、他にはコウモリのような鳥と、リスのような動物が住むばかり。誰も口を聞かない。

そんな島から真っ黒な帆を張った船が今日の午後3時に迎えに来る。

五郎はその前に自分の娘と、幼い息子、盲目の息子を呼びつける。外は暴風が近づいており、血のような色の警報ランプが無気味に輝いている。

やがて五郎は盲目の息子、進を射殺するが、自分も午後3時になったとたんに、死の島からの迎えが来たと叫びつつ絶命する。

死の島がゲド戦記に出てくる死の世界のようで無気味。吉井勇の処女作だそうだが、不思議な感じの話ではある。