ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

わけあり退院

仕事を終え、帰宅したのが7時過ぎ。家には灯りがついている。ところがドアに鍵がかかっている。留守番をしているはずの長男と次男の姿はない。

病院にみんなで行っているのだろうと向かう。病院の脇の道に入った所で、むこうから連れ合いと三人がやってくる。連れ合いは自転車を押しており、その自転車に三男が乗っている。

急遽退院することになったという。ことの経緯は、こうだ。

昨日から2人部屋に移った。お相手は初老の男性で、非常に静かな方だった。その方が今日退院した。

その後入ってきたおじいちゃんが、対照的ににぎやかな人だったらしい。

怪我をして首をギプスで固定されているのだが、体の向きを変えては看護士さんに叱られたりしていたらしい。

夕方になって、連れ合いが夕食を作りに家へ帰っている間に事件は起こった。

おじいちゃんが、うなされて「火事だああ、水、水はどこだあ〜!」などと叫び始めたらしい。

三男は、連れ合いが家に戻っている間、昼寝をする約束で大人しく寝ていたのだが、その騒ぎで目を覚まし、怖くなって泣き始めてしまった。

看護士が駆けつけて三男をナースステーションに保護してくれたのだそうだが、連れ合いが戻った時には、すっかりしょげてしまっていたという。

病院からは昨日まで使っていた個室を無償で提供するという話もあったらしいのだが、おびえてしまった三男を一人で病院に残すのは無理、ということで、担当医が協議して、ちょっと早いが退院ということになった。

「土日は大人しくして、月曜日に外来に来ること」ということで、居間の隣の和室に布団を敷き、安静にするように言ったのだが、もうはしゃぐことはしゃぐこと。

三男以外は夕食がまだなので食事を始めたが、連れ合いが横に呼んで、食べさせてやると、自分で食べずに、一々食べさせてもらう甘えよう。

長男はさすがに中学生なので落ち着いていたが、次男も一緒になってはしゃぎ始めた。

戻ってきて嬉しいというのもあるだろうが、長男が戻ってくる時間まで、たった一人で留守番をするプレッシャーから解放されたのが大きいだろうとは連れ合いの弁。

確かに一人で心細かったろう。日頃からポワーンとしている次男が、それなりにテキパキ動こうとしていたのは涙ぐましいものがあった。

やはり、家族は揃っている方がいい。

9時を回るころ、三男は連れ合いに添い寝してもらってすやすやと寝てしまった。