ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

「十角館の殺人」綾辻行人

「2004このミステリーがすごい!」のベスト10に入ったミステリーを片っ端から読んでいこうと計画。

ところが、図書館にあったのが、2位の伊坂幸太郎アヒルと鴨のコインロッカー」と7位の綾辻行人暗黒館の殺人」だけだった。それで、この2冊を借りようと思ったら、司書から「綾辻のは「館シリーズ」というのだから、最初から読まないとつまらないですよ」と言われて、「館シリーズ」の最初から読み始めた次第。
十角館の殺人
十角館の殺人


すいません。最初に犯人だろうと思ったら、やっぱり犯人でした。

ということで、あとはどういう風に理屈を付けていくのか、それだけを興味の対象に読んでました。

しかし、出だしから何か「違和感」がある。何だろう。プロローグに書かれた犯行予告。犯人の決意にどうも違和感がありすぎる。

これから殺人を犯すという人間が、こんなこと考えるのか?何かすごーく人工的なものを感じる。作者の頭の中で作り上げた世界。その中では完結しているのだろうけれど、実際の世界とは何かかけ離れている世界。そういう感じがする。

この人物形象に何か以前出会った気がする。ちょっと肩に力が入っているような、この文体。

読んでいるうちに、卒業生が去年持ってきた彼女の文章とよく似ているということに思い至った。

そうか、この文章には若さはあるが、人生がないんだ。ミステリーに対する誠実さは伝わってくる。でも、それだけなんだな。

あとがきを見たら、作者22歳の時の作品だという。なるほど。納得。

男が五人に女が2人。孤島に一週間って設定で、色気がないのはおじさん的には不満でございます。そんな「精錬潔白な仲良しグループ」というのが存在するのかね。

大学のサークルの飲み会で三次会あたりまで騒いでいくような人々でっせ。とどうも人物形象があまりなあというのが読後感。まあ22歳じゃ、しょうがないか。

さて、これが今後どんな風にシリーズ化していき、作者がどんな風に成長していって、2004年第7位に輝くようになったのか、楽しみにしていくとしよう。