ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

「天使と悪魔」ダン・ブラウン

天使と悪魔(上)

 「ダヴィンチ・コード」が爆発的なヒットをした後で、その前に発表されていた「ラングトン」シリーズの第一作であるこちらの本も見る見る販売数を伸ばしたという。そりゃそうでしょう。

 面白い。どうしてダン・ブラウンという作家が、今まで無名だったのだろうと頭をひねりたくなる。これだけのエンターテイメントを書ける作家なのに。

天使と悪魔(下)

 科学の粋を集めた研究所セルン、カソリックの総本山バチカン市国、科学と宗教の対立という明確な柱を見せつつ、最後にそうした対立が個人の心の中での葛藤と重ね合わされて展開していたのだ、という点が浮かび上がってくる所は見事だ。

 アメリカとスイスの間を1時間で飛ぶジェット機、わずかひとしずくで半径2分の1マイルのすべてを消滅させる反物質。これだけを見ると、まるで「スカイラーク」シリーズのようなスペースオペラを思い出してしまう。しかし、話は荒唐無稽な訳ではない。実在するローマの教会群が舞台であり、読み進めるうちに、自分がラングトンと一緒にガリレオやベルニーニについてのいっぱしの教養を持った人物になったように感じてしまう。そう、これは教養小説でもある。

 24時間のタイムリミットの中で、物語はそれこそ分刻みで進行していく。ロバート・ラングトンの明晰な頭脳が、目の前に横たわる難解な暗号を次々と解き明かす。

 ローマの街を縦横無尽に走り回るアルファロメオの車群。予告された殺人は防げるのか。反物質による大量破壊を止めることが出来るのか。刻々と迫る時間、相次ぐピンチ。コンクラーベは無事開催されるのか、次期教皇はいったい誰に?

 最後の最後に待っていた大どんでん返し。そして明らかになる秘密。

 ハリソン・フォードが45歳だったら、この作品が映画されたら、ロバート・ラングトンにぴったりだろうけれど、如何せん、もう年だしね。でも、映画化されて、クライマックスのシーン、どうやって撮るかなあ。

 場所が場所ですからねえ。サンピエトロ大聖堂ですよ。

 第3作が企画されているというから、出たら即読みますよ。

 今回はイタリア人海洋物理学者のヴィットリアとのロマンスだったけれど、この次はどうなるのかな。ヌヴーとのその後も気になるし。ひょっとして、二人が鉢合わせなんかになったら、すごいだろうね。二人とも気が強そうだし。

 とにかくはまります。