ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

脳みそ忘れた。

長男の熱がまだ下がらないので一人で起きて早々に家を出る。

電車の中で「バウンダーズ」(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)を読み始める。

学校について、今日の予定を確認しようと思ったら、何と手帳や財布など一式忘れていることに気がつく。

マンダラート手帖も超整理手帳も忘れてしまった。

こうなると自分の脳みそを半分忘れてきたようで、何とも心もとない。しかも今日は修学旅行の事前説明会の後、学年最後の保護者会がある。そのためのメモも、みんな忘れてしまった。

でもまあ、マックは忘れていなかったのでまだよかった。todoリフィルにもう一度予定を書き出す。

3時間目、修学旅行事前説明会。保護者は各クラス2、3名の欠席を除き、ほとんどの方が出席。ただ、始まりは緊張していたのだが、学年主任のT井先生の後、説明のために登場したT橋先生の一言で爆笑の渦に巻き込まれてしまった。

「学年主任のT橋です。」

一斉に「えーっ!」の声。

「学年補佐」と言いたかったのだろうけれど、N周先生も上がってしまっていたのだろう。周章狼狽するT橋先生の姿を久しぶりに見た。

しかし、爆笑が起こったおかげですっかり緊張がほぐれて、和やかに説明は進んだ。

今回の修学旅行では、五島列島久賀島を初めて訪れる。久賀島も修学旅行生を受け入れるのは、初めてだと言う。

明治元年に起こったキリシタンの迫害で、230名余のキリシタンが、わずか畳12畳の建物に八ヶ月間も監禁された。

ある者は他の者に押されて足が地に着かない状態になり、他の者は押しつぶされるような状況になったと言う。しかも、糞尿の始末などできず、そのまま垂れ流し状態。食事は一日にサツマイモが一切れ。

この極限状況の中で死者が42名というのは、もしかすると少ないと言えるかもしれない。

そのような迫害の中、信仰を守り抜き、現在まで信仰を継承してきた人々の生きている場所を訪れて、何かを感じ取ってほしいというのが訪問の目的になっている。

水俣では、1月にみんなの髪の毛を採取して測定したデータの結果が発表される。何のデータかというと、毛髪の水銀量のデータだ。

水銀は今でも魚の中に微量だが含まれている。魚を食べることで体内に水銀を取り込んでいる訳だ。それだけではない。水銀には強力な殺菌作用があるため、乳幼児が受ける予防接種のワクチンの中にも水銀が含まれている。連続していくつかのワクチンを接種すると、体外に排泄される前にまた水銀を取り込むことになり、血中の濃度が非常に高くなる場合もあるという。大人なら心配のない量でも、乳幼児の場合では何らかの問題を引き起こす懸念もあるのではないかと言われている。

有機水銀中毒は、水俣で起こった、過去の話ではない。我々の身近で今も起こり続ける可能性のある問題だ。

そしてもう一つ、長崎で被爆者の方の体験を伺い、一緒に原爆遺跡をフィールドワークして歩く。

だからうちの修学旅行はものすごく「重い」。お楽しみよりも学習に重点がある。ま、それでも、新水俣駅から新八代まで九州新幹線に乗って、新八代から鳥栖までリレーつばめ号に乗って、鳥栖から長崎までかもめ号に乗って、長崎から五島の福江まで、600人乗りのフェリ−を200人で借り切って、3時間半かけて行って、とか、鉄ヲタの方にはたまらない行程が入っていたりもする。

説明会の後、各クラスに別れて保護者会。「最後ですから、何かおっしゃりたいことがあればどうぞ」と言ったら、ある保護者の方が、「せっかく運動会でもリレーで一位になり、修学旅行でも一緒に旅して、いいクラスになったのに、高三でクラス替えがあるのは残念。このままのクラスで上がれないのか」と発言された。

涙が出る程嬉しかった。本当に気持ちのいい生徒達ばかりで、この一年近く、実に楽しくクラスを持って来れた。確かにこのまま持ち上がれればいいのだけれど、高三の選択科目の問題もあるので…、と答えた。

生徒達もそんな気持ちでこの一年を締めくくれたら、うれしいね。