「迷路館の殺人」綾辻行人
ああ、また読んでしまった。どうしても読みながら、「どうしてこの人は、こんなに読者をミスリードしよう、ミスリードしようとするのだろう」と、そんなことを考えていた。
「館」だから、またからくりで抜け道があるんだろう。それは前提。等身大の姿見。これかなー。ワープロ。4台も揃えたら、これはもう殺人の道具だな。そこに書かれた通りに殺人が行われるとしたら、ま、作品の方が先に書かれたんでしょう。
首が切られた。犯人が怪我をして血を流したことを隠すため。誰も怪我をしていないし、鼻血も出していない。とすると可能性は生理か。女性は、…?はてどの女性だろう。死んじゃったぞ、変だな、変だなー。と、そこで引っかかって読んでいた。
あー、そういう結論だったのかあ。
でもなあ。やっぱりもう一人、犯人の可能性は消えていないのではなかろうか。
いや、それよりもむしろ、この作品の主要モチーフである「偉大な師匠が不肖の弟子達を殺し尽くす」というところに、この作品の本来の意味があるような気がする。
島田荘司によって見出された綾辻行人。しかし、師匠が期待する程には伸びないままでいる。あともうひと伸びを期待する師匠。しかし伸び悩む弟子。
それがいつか殺意に変わり…。そんな強迫観念がこの作品を書かせたのだとしたら…。なんてね。作品は読者のためにあるものですから、まあいろいろ言わせて下さい。
ということで、こんなことしてないで、テスト作らないとな。