ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

「ライオンハート」恩田陸

ライオンハート

 あとがきを読んで、「あ、これは『木曜組曲』の尚美のセリフだ…」と思った。木曜組曲に登場する四人の女流作家。その中で、人気ミステリー作家として確固たる地位を占めている尚美。どこか恩田さんとかぶるところがあるかなーと思ってたんだけれど、尚美の口を借りて、「ライオンハート」の構想を披露していたということか。

 メロドラマ。切ない、切ないメロドラマ。生まれかわっては出会い、そして決して結ばれることはない。しかし、お互いの魂を共有し合っているような、かけがえのない存在。出会った瞬間、相手が自分にとって唯一無二の存在だと気付く。そんな運命のもとにいる二人。

 言葉にしてしまうとなんだか陳腐だけれど、恩田さんの語りの巧みさと、筋運びの上手さで気持ちよく作品世界に浸ることができた。

 これは恩田さんの作品の中でもおすすめの一作だと思う。