限界だ!
教会から帰って来た午後。
玄関を開けると、ハムスターのラッセのケージが目に飛び込んで来た。
クーラーを入れていない家の中で、比較的涼しい玄関。そこにラッセのケージを置いて、教会へ出かけたのだ。
しかし、締め切った家の中は、けっこうな温度になっていた。
暑い。
ラッセのケージは、以前、砂ネズミのカリックを飼っていたものだった。
寒い冬の朝、カリックが凍死しているのを発見したのは、僕だった。
ラッセは、お気に入りのグルグル回るやつの脇に、腹を上にして横たわっていた。
ブルーサファイヤの毛並みに比べ、腹の毛は白かった。
ああ、また第一発見者になってしまった。
そっと、ケージを叩いてみた。
「ラッセ…」
ピクリとも動かない。
あれ?
ピクリと動いたぞ。
団扇を持って来てあおいでみる。
くるりと寝返りを打つと、ひくひくと空気の匂いをかぎながら、近づいて来た。
その毛皮じゃあ、暑いよなあ。
見ているだけで暑い。
もう、限界だ。
床屋へ出かけた。僕も、いい加減、髪を伸ばしっぱなしにしていたのだ。
刈り上げてもらって、さっぱりした。
帰って来たら、子ども達も連れ合いが髪の毛を刈って、さっぱりした頭になった。
これで、やっと夏モードだな。
夕食後、スイカを食す。スイカの匂いって、夏の匂いだね。