ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

第10回ディベート甲子園観戦講座1

中学の部決勝トーナメント1回戦。

創価中学vs会津若松市立第二中学。

関東甲信越地区1位対、東北地区1位。観戦講座の最初に選んだのは、どちらも第2反駁のレベルが非常に高いから。自分達の試合の進め方の参考になるだろうということで、会場に一番乗りして、一番うしろの席に座って待っていた。

この試合、ジャッジが本田君や斎藤君だった。時間の流れというのをひしひしと感じてしまいます。

さて、肯定側のメリットは「環境対策比の確保」。直前の練習試合まで、創価はメリット、デメリットともかなり悩んでいた。地区大会は否定側だけで勝ち進んでしまったために、自分達の肯定側の議論がどの程度強いのか試せなかったという事情もあった。

うちにきて練習試合を行った時には、「野生動物の保護」というメリットを出していたのだが、これが削られに削られて、最終的には奈良公園のシカの部分のみ問題が発生するという非常に小さなものになってしまっていた。

今回のメリットの構造として、レジ袋が減る部分でのメリットと、税収によるメリットとを立てておけば、相手がレジ袋が減るという所から発生するデメリットを持ってきた時に、減るという議論を捨ててしまって、税収だけで勝つこともできるよ、なんて話をしたかと思う。

開成での練習試合の時には、今回のメリットを持ってきていた。大胆にも、レジ袋が減るという議論を捨て、税収のみで勝負するという構成にしてきた。

環境対策が進まないのは、単純にお金がないからなので、環境対策費が入ってくることで、今よりも対策が進むという流れなんだけれど、ちょっと一般論を援用しているので、実際にどうなるのかという証明は甘いけれど、成立はしていた。

対するデメリットは「レジ袋製造業者の利益損失」。東北大会の時と変わっていなかった。

こうなると、否定側は最初から苦しくなる。なにせ、相手がレジ袋が減る、という議論をしてこないのだから。したがって、肯定側第1反駁で、普段は否定が話題一反駁が使う、「韓国では有料化の効果は一時的で慣れたら効果がなくなった」という資料を読むというちょっと珍しい展開になった。

否定側は、相手がレジ袋が減るという議論をしてこない以上、税収が入ることが実はデメリットなんだという議論を仕掛けないと行けなかった。

いわゆる税金の無駄遣いとか、不正に使われるとかいう議論だね。年度末の道路工事が端的に示すように、税収が継続的に入ったからといって、有効に活用されるのかというのはけっこう議論できる部分なんだよね。

うちは否定側でそういう反駁のカードを作っていたのだけれど、もし決勝トーナメントに行けたら、それをデメリットの2として出してみようかと考えていた。

さすがの木村君も、こうした議論は想定していなかったようで、相手の証明が薄いという反駁を仕掛けるのが精一杯だった。

この試合の主審は本田君だったのだけれど、コメントが非常に良かった。デメリットの固有性について説明するのに、テスト前日にゲーセンに行こうと誘われたら、というシュチュエーションを紹介した。「何も勉強していないから」という理由で断ったとして、相手を説得できるだろうか、「今やっていないなら、やってもやらなくても同じじゃないか」と言われてしまう可能性が高い。デメリットはそれと同じ構造になっている、という説明。

これは非常にわかりやすくて、一生懸命メモしてしまった。

ということで、デメリットがほぼ発生しないと判断され、メリットは残り、3−0で肯定側の勝ち、ということになった。

創価のみんなの、ギリギリまで議論を練り直そうという態度が実を結んだ勝利だったかな。