ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

「暗黒館の殺人」綾辻行人

あ〜、やっと読み終わった。長かった。

去年、「暗黒館の殺人」を手に取った時に、司書のYさんから、「これは連続ものだから、最初から読まないとつまらないですよ」と言われて、「十角館の殺人」から読み始めて、やっとここまでたどり着いた。

作品も長かった〜。その割に人があんまり死ななかったな。

以下、いつものように激しくネタバレです。

暗黒館の殺人 (上)

暗黒館の殺人 (下)

姑獲鳥の夏」を連想してしまったのは、僕だけだろうか。殺人の理由がね、なんだか、もう一つ。

それと、かなり反則じゃないかなあ。謎が解決されないままで終わってしまっているし。

幻視者である一成さんという人物を登場させてしまった事自体が、そもそもこの「館」シリーズの失敗なんじゃないかなと僕は思う。

つまり、理屈で割り切れない存在というものを許してしまったら、本来論理で謎を解き明かしていくミステリーの世界に、何でもあり、を許してしまうことになってしまう。

だから、玄遥が殺された後生き返って、「惑いの檻」の中で未だにうろつき回っている、という状況を設定してしまい、その謎を論理的に解き明かすことなく終わってしまったこの作品は、「本格ミステリー」の名に値しないと思う。

「中也君」はそのまますんなり女性として描いていった方が面白かったんじゃないかなあ。中村青児が実は女だった、なんて、面白いじゃない。

すると死んだ娘というのは、実は養女であり、そこにまた謎が生まれ…なんていうふうにしてもいいかと思ったんですが。

じゃないと、「中也君」はあまりに女性的に描きすぎ。この人物がどうしてあれほどの「館」を建て続ける人物に変容していくのか、ちょっと線が細すぎて説得力がない。

とはいえ、面白かったことは面白かった。人物出しすぎて整理不足だった点はなんでしたが。

まだ、「館」シリーズは続くんだよね(という予感に背筋がぞくっと…)。