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オシム・オシム・オシム。

オシム監督に聞く…5日キリン杯コロンビア戦を終えて

 ―初タイトルです。
「タイトルは初めてではありません。まあ日本では初めてですが。選手たちには神風システムと言ったが、危険なやり方で始めた。部分的には有効であるとは思った。何とか我々はそこから生き残った。後半は明らかに良い内容でした。コロンビアを相手に戦えたことは“良い授業”でした」

 ―オシム監督が前半と後半の展開を予想していた節がありますが。
「例えば、勝ち点1の争いとか、アジア杯でもそういう場面に直面するかもしれないが、今日のようなプレーであれば前半10分でだれか交代させていたと思います。個々としても、チームとしても試合の進め方、休憩の取り方や試合前の準備など、選手は細かい部分にも、もっと執着してほしい」

 ―なぜリスクの大きい状態で臨んだのですか。
「神風システムが機能していれば代える必要はない。機能していないのは選手個々がダメだったということではない。フィジカルコンディションが全員準備できていたというわけではないということです」

オシム采配 走る布陣で選手追い込む キリンカップ優勝

2007年06月06日11時24分

 驚きの先発メンバーだった。

写真前半、シュートする高原(左)。中央は稲本

 問題は2列目の中村俊、遠藤、稲本。いずれもスペースに飛び込む選手にパスを送るタイプ。自ら相手DFの裏に走り込むタイプではない。「神風システムとでも呼びましょうか。危険の多い構成だった」。オシム監督は、うまく機能しないことは織り込み済みだったようだ。

 誰がスペースに飛び込むのか。人任せにするわけにはいかなかった。長い距離を走らない印象をぬぐうべく、中村俊が走る。前半20分は、駒野のワンタッチパスを受けるタイミングで右奥に進出。36分には、パスを渡した駒野を追い越すように、さらに回り込んだ。

 稲本、遠藤も入れ代わり立ち代わり、前線への飛び出しを図った。「こういう使われ方をするかもしれないという意味でいい経験だった」。予想外の位置に置かれた稲本の感想だ。遠藤は「飛び込む意識は今日だけじゃないけど、ワントップだったし、大変は大変だった」と息をついた。

オシム監督、稲本中田にダメ出し!「神風システム」不発予想通り
2007年06月06日12時45分
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 ◆キリンカップサッカー2007 日本0−0コロンビア(5日・埼玉スタジアム)  神風システムが不発に終わった。日本代表イビチャ・オシム監督(66)は、MF中村俊輔(28)=セルティック=、FW高原直泰(28)=フランクフルト=ら欧州組4人を先発起用する“神風システム”で、コロンビア代表に挑んだが、0−0の引き分けに終わった。指揮官は、欧州組の個人技の高さを認める一方、少ない運動量に不満を漏らした。キリン杯で、日本は1勝1分け。コロンビアを得失点差で上回り、苦しみながらも3年ぶりの優勝を果たした。

 老将は、17年前の伝説的な采配を再び繰り返した。この日、オシム監督は、俊輔、高原、稲本、中田の欧州4人組を先発起用。だが、前半だけで、あっさりと稲本、中田をベンチに下げた。

 「これは『神風システム』です。部分的には有効ですが、リスクが大きい。皆さん、うまい選手が好きでしょうが、うまい選手も走らなければならない。選手が走らない分の借金は監督が払わなければならないのです」

 決して個人名を挙げることはなかったが、稲本、中田を厳しく評した。その一方で、運動量が持ち味の羽生、今野を投入した後半については「後半は良い内容だった」と自画自賛。さらに、0−0で終わった結果にも「ボクシングで言えば判定勝ちでしょう」と胸を張って話した。

俊輔 充実感!オシム流に適応できた

アリサラ(右)と競り合う中村俊=埼玉スタジアム

 キリンカップサッカー(5日・埼玉スタジアム)で、日本代表はコロンビアに0-0と」引き分け、通算1勝1分けでコロンビアと並んだものの、得失点差で上回り3年ぶりに優勝を決めた。

 ファンタジスタがオシム流司令塔への道を一歩前進した。MF中村俊は88分間、忍んで走った。「人のために走る、人の走るスペースを作るということはできたと思う。一歩、段階を踏めたかなと思う」。背番号10は口の端に充実感がにじむ笑みを浮かべた。

 レッジーナ時代以来となる右ウイング気味での先発。前半15分に自陣深い位置でボールを失う失態もあったが、相手左サイドのMFフェレイラ、マリンをケア。オシム監督の「粘り強く、強い気持ちを持って戦え」という指示を忠実に守った。MF羽生投入を攻撃へのGOサインと見た後半は前線でのワンタッチプレーで持ち味も発揮。「あとはいかに自分の良さを出すか。そこだね」と今後の課題も挙げた。

 26日のスコットランド杯決勝でねんざし、1日・モンテネグロ戦まで別メニュー。だが離脱期間も「外から見ていて分かることもある」と“考えて走るサッカー”を学んだ。初の長期合宿では一緒に食事をする席の相手が毎日違うオシム日本の新鮮さにも感激。「アジア杯、W杯に出たことのある選手は若手の見本となってほしい」という御大の要望に応え、海外生活のエピソードも快く語って聞かせた。

 オシム監督から半ば挑発に近いまでの“毒ガス攻撃”を受け続けたが「頑張ってやるしかない」とけなげに走り続けた。その成果は交代時にオシム監督と交わした固い握手に表れた。7月のアジア杯までは日本に止まる予定。中旬から国内で自主トレを開始し、アジア杯を目指す。