ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

お兄ちゃん?

演劇ワークショップ講師の皆さんの授業後のふり返りは本当に勉強になる。
時間割の都合で伺えない時があったのが本当に残念。

しかも土・月と担任する4組の授業の後に、自分の授業が入っていたのでたっぷりふり返りを伺えなかった……。

そんなわけで、今日、最後の1組のふり返りを伺いながら、土曜日の4組の9グループ全てがこーちゃんを「他者」として設定していたことを教えていただくまで気づかずにいた。

土曜日の生徒たちは色々と考えていたようだったが。

今日は4組が2時間目で、1組が4時間だった。

1時間目が終わり、4組の前で待っていると、私が声をかけるより早く、生徒たちの方がどんどん会議室へ向かっていく。

実は今日、明日は授業参観なのだが、「親の前であのネタはまずいよね」と言っているグループもいる。

どうやらあれこれ考えてきたようだ。

会議室に行くと、当初は2名程度の参観予定だったのが、「子どもに聞いて急遽見に来ました」という方もいて、5名に増えていた。

チャイムの前に集まったので、早目に作戦会議を開始する。

紙に台本を書いてきたグループもいる。

そしていよいよ本番。

1番目は土曜日、駅のホームで倒れたおばあちゃんを助けてほしいと大熱演したグループ。

今回もまた駅のホーム。そしてお婆ちゃんが倒れる。誰かいないか辺りを見回すBさん。こーちゃんに目をとめ一言。

「お兄ちゃん?」

この一言が絶妙だったとはふり返りでの講師の皆さんの言。さらに、

「塾に行ってんじやないの?」

でサボってベンチで読書をしているダメな兄貴という形象ができあがった。

その後倒れたお婆ちゃんそっちのけで2人のかけ合いが続き、時間切れになってしまう。

しかし、本人はグループのみんなに手を合わせて謝りながら「楽しんじゃった」とつぶやいていた。

「トップバッターがこうちゃんとのやり取りを楽しんだ」

このことが他の班に与えた効果は大きかったとふり返りで取り上げられた。
あれでクラス全体の熱がグッと上がったと。

終礼で当の本人に確認すると、トップバッターにも関わらず、全然緊張しなかったという。

周りの生徒たちも、「いつもの○○だった」という。

なるほど、舞台上でいつもと変わらない仲間の姿を見たなら、これは一番の勇気づけだろう。

次の班も立たせられなかったが、とても斬新なアイデアでみんなを唸らせてくれた。

次も舞台袖という設定。

そうしてとうとう4番目の班がこーちゃんを立たせた。
高校時代の友人で、こーちゃんは優秀、自分は頭が悪い。
その設定がうまく作用した。

こーちゃんが立った時の大歓声。

この班は前回「初めての他者体験」にBさん役が思わず悔し涙を流した所だった。今回は彼女はAさんになっていたのだが、今度はうれしくて泣き出していた。

私も実はその姿を見て思わず涙があふれてしまった。

続く班もこーちゃんを立たせた。


こちらはこ一ちゃんを母親にした。

しかもちょっといじわるな母。

たぶん予想した反応とは全然違うこーちゃんの反応に戸惑ったはずだが、母親が2人の娘のあまりの愚かさに業を煮やして立ち上がるという全く違う展開になった。

その後のグループも惜しい所まで行ったが時間切れになった。しかし、どの班も「他者」ではなく、こーちゃんと関係を作ってきた。

立たせることができるかできないかはあくまで結果で、立たせるための作戦を班で話し合えたかどうかが一番大切なことだった。そういう意味では大成功だった。

そしてやはり4組は温かい。

見て下さった保護者の皆さんにも十分伝わったと思う。

4限の1組はすごくスマートに立たせることができたグループと、どうしても「北風」方式から離れられなかったグループに2極化した。

これはどうしてだったのだろう。

生徒たちにふり返りを書かせているので何か見えるかもしれない。

ともあれ、1組もいい話し合いをしていたし、一斉授業では活躍できない生徒がものすごく輝いた。それがうれしかった。

さて、4クラスで計72の舞台を務めて下さったこーちゃん、そしてなるさん、たなりん、きっこちゃん、まっきー、やまも、きたむー、なりけん、くぼやん、本当にありがとうございました。

ぜひ、女子聖学院中学校の恒例授業にしていきましょう。