ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

マインドマップという手法の教育効果

図解の久恒さんのブログに、「学力低下問題とゆとり教育」の取材というエントリーがあった。来週火曜日の河北新報の教育欄に掲載されると言う。

教育のうち、知識の部分が「教える」という分野で、考える力を養う部分が「育む」という分野ではないか。「教」に偏り過ぎて学級崩壊などを招いているので、「育」が総合学習やゆとり教育という形で現れてきた。この分野は、試行錯誤しながらまず教師が方法を身につけなければならない。現在はこの3年の成果の総括をして方法や工夫を普及する段階にある。

自分の力で考えることができるようになったり、目的意識ができてくると、知識の獲得に再び目が向くようになる。教と育はどちらが大切かという議論ではなく、両立があるべき姿だ。らせん状に発展するという関係になっているはずである。

教の知識の獲得の分野でも、文章だけでなく図解を用いるなど工夫の余地は大いにある。

成果がすぐに確認できないからといって、再び問題の大きい方向に戻るということは将来の希望がなくなる。もう少し、辛抱しなければならない。

「図解」を「マインドマップ」に置き換えてもいいと思う。マインドマップは「考えるノート法」だ。今までのように板書されたものをただ写すのではなく、どこにどうレイアウトしたら分かりやすくなるかを考えながら、一枚の紙に学んだ内容を展開していく。

しかし、考えてノートを取ることに慣れていない生徒には抵抗感も強い。マインドマップを授業で教え始めて1ヶ月。「今までのノートの取り方の方がいい」という生徒も複数存在する。

マインドマップにしても、覚えやすくなった実感がない」「提出することを考えると、キレイに仕上げようとして時間がかかってしまう」「絵を書く才能がない」等々…。

慣れるまでに時間がかかる。一回や二回やっただけで習熟するはずもない。しかし、成果が出るまで忍耐強くやりぬくことに慣れていない生徒は残念ながらいる。まだマインドマップの方法を教えて、書き方をやってみた段階なのだが、「またやるの」とうんざり顔の生徒もいる。

そこで、昨日今日の授業では、二種類のマインドマップを作らせてみた。

まず、「文学史の授業」では、「思い出すためのマインドマップ」をやった。中学入試の休みの間に「中古」「中世」「近世」のマインドマップを作成して提出する課題を出した。文学史の授業では、授業の最初に小テストをやって、答え合わせをする。この作業で15分ほどかかる。さらに提出させたマインドマップを返して、j業の残りは20分。この20分を使った。

B5の紙を配る。

『中古(平安時代)のマインドマップを出して下さい。』

『今から3分時間を取ります。マインドマップの内容を再確認して下さい。その後でB5の用紙にその内容を再現してもらいます。』

3分間、マインドマップをなぞったり、それぞれに内容を確認している。集中しているので教室が静まり返る。3分後、マインドマップを伏せさせる。

『B5の用紙の真ん中に「中古」と書きなさい。』

全員が書いたのを確認。

『中古の文学史のマインドマップを再現して下さい。ただし、鉛筆書きで、絵も書かなくてもいいです。時間は五分です。始め。』

一斉に鉛筆が動き出す。鉛筆の動きの鈍い生徒に近づいてアドバイスをする。

『最初に大きな枝が何本あったかを書くと分かりやすいよ。』

『随筆は一本だけしか枝が伸びてなかったよね。なんだったっけ?』

枕草子?」

『そうそう。』

五分後、作業が途中でも、鉛筆を置かせる。

『今書いたものと元のマインドマップを比べて分からなかった所を確認しなさい。』

見比べながら「ああ、そうだった」などとつぶやいている。

『まず大きな枝の部分が何本あったかを書いて、そこから次に移っていくといいね。物語なら、2本枝が出ていて、作り物語と歌物語だったよね。それぞれがまた3つに枝分かれして、作品の名前が入ったよね。』

3分ほど、確認の時間をとる。その後、先ほどの紙を裏返させる。元のマインドマップはまた伏せさせる。

『では、もう一度書きます。時間は五分です。始め。』

鉛筆の動きの鈍かった生徒も、さっきよりはスムーズに書いている。

『頭の中のシナプスとシナプスを結ぶ神経が太くなっていっているんだ』などともっともらしいことを言いながら、机の間を見て回る。

五分後、途中でもやめさせる。最初に再現したものと今のとを比べて、さっきよりかけている所にペンでチェックを入れさせる。全員がさっきより書けていることを確認する。

『さっきより、書けましたね。これで見直しの時間を入れても20分程度です。全部書ける所までやっても、マインドマップを仕上げるのに15分くらいです。こんな風にマインドマップは、繰り返し復習することが、時間をかけずに、楽にできます。』

現代文の授業では「内容整理のマインドマップ」を行った。これについては別にエントリーを立てます。