ディベート×演劇

「子どもらが 自分の場だと 思う所に 花が咲く」(徳村彰)を、学校現場で目指します。

{debate]東北大会感想1

さーて、夏休みに突入し、今日はちょっとばかし学校での仕事も楽?なので、東北大会の感想を述べてみようと思います。決勝に関しては別に書くとして、それ以外の4試合についてざっとコメントを。

まず、前日仙台に入って、ジャッジ講習会の講師をやらせていただきました。今回は適当なビデオがなかったので、審判講習会のテキストの読み合わせをしました。

天白君がいたので、鋭い突っ込みは彼に振って、随分楽をさせていただきました。

夜はいつものように牛タンを食べ、楽しく話をし、大いに飲みました。

さて、いよいよ中学の部予選です。

参加校は8校。そのうち3校が全国へ行けます。

4チームずつのリーグに分かれて試合を行い、それぞれの1位は全国へ。2位同士が代表決定戦を行います。残りの4チームは交流戦を行うという形になっていました。

去年はトーナメント戦で、片方の山に強豪校が固まってしまったため、リーグ戦にしてほしいという要望が強かったとのこと。

くじ引きも、去年の出場校を分けたり、地元同士がぶつからないようにしたり、配慮が行き届いていました。

それでもAリーグには、去年全国準優勝のいわき市立湯本第一中、藤田先生の河東町立河東中、名越先生の東北学院中が入って激戦が予想されました。

さて、第一試合。石巻市立青葉中(肯定)対会津若松市立第二中(否定)です。

肯定側は「個人の環境意識が高まる」「リサイクルに活用できる」の二つのメリットを出してきました。対して否定側は「レジ袋製造会社の利益損失」です。

肯定側は定義とプランを読んでいたので、「そこは読まなくていいのになあ…」と聞いていたら、いきなりプランの2が「発砲トレーなどを分別するカゴを各自治体で設置する」というもので、ちょっと虚をつかれました。

資料は4つ読んでいたけれど、出典の読み方が不十分なのでちょっと改善をした方が良かったですね。

否定側は発生過程を3点に分けて説明していました。関東で本号中が出してきたのと同じですが、証明がかなり緻密でした。本郷が第二反駁で読んでいた資料も、立論の中に組み込まれていました。

ただ、固有性がかなり弱いかなという感じはしました。

反駁は、否定側の方が資料付きで反駁をしていたのに対し、肯定側はデメリットへ二つした反駁が言っただけだったので、ちょっと取れないかな、という感じでした。

この試合では否定側第二反駁のI君のスピーチが非常に上手で、ユーモアも交えてキレイに論点をまとめたので、0−3で否定側の勝ちになりました。

第二試合は、釜石市立甲子中(肯定)と石巻市立青葉中(否定)の試合です。この試合では、青葉中の生徒が、一人トイレにこもってしまい、3人で試合をするという変則的な事態が生じました。

甲子中のメリットは、1レジ袋がゴミとして排出されている、2多額の費用が財政を圧迫している、プランによって費用が少なくなるという所までは非常によく出来ていました。

ところが、そこから風力発電の話になって、環境意識が高まるという所へのリンクがほとんど証明されていないので、「環境意識が向上する」というメリットがどうして生まれるのかがよくわからない状況でした。

メリット2の「資源の有効活用」は発生過程はメリット1と同じだたのですが、どのくらい有効活用できるかが不明でした。

対するデメリットは「資源の無駄遣いが増える」「万引きが増える」の二つでした。

デメリット1は、資料は「環境新聞」で今ムダな包装が多い、というもの一つだけ。あとは小さい袋を二重三重に使うようになる、レジテープがムダになるとうところが弱い論理的理由づけで多少証明されているかな、程度でした。

デメリット2は、現状の問題点が示されているけれど、実際どうして増えるのかが不明で、立論段階で取れないな、という感じでした。

この試合は本当に困った試合でした。

否定側第二反駁まででは、「こまったなー、小さい袋を二重三重にする部分しか残らないのかなー、ここだけで否定にボートするのかなー」という非常に困った状態だったんですね。

否定側の証明の程度で、試合が決定してしまうのは、かなりつらいなあ、と思っておりました。

最後に肯定側第二反駁が頑張って、環境意識が向上するということについてもう一度まとめ直してくれたので、なんとか肯定側に入れることが出来ました。結果は3−0でしたが、中学の場合、こういうとっちらかった試合が得てして出現するものです。

前日のジャッジ講習会でも、こんな試合があることは予告していたのですが、一緒にジャッジをした ESSの方が、「本当にあるんですねえ」と感心してました。

第3試合は東北学院中(肯定)と丸森西中(否定)の試合です。

この試合は、「ディベートらしい」試合でした。

後で名越さんに戦略だったのか聞いたのですが、どうやら偶然だったようです。でも、見事に「ハマった」試合でした。

メリットは「資源の節約」。

発生過程が2つあって、一つは税金がかけられることでレジ袋が減るというもの。もう一つは税収でリサイクルが進むというものでした。

否定側は「企業倒産とリストラ」。

この試合は、肯定側第一反駁が発生過程の1を捨て、「レジ袋は減らない。したがってデメリットも起こらない。しかし、発生過程2は残るので、メリットだけが発生する」としたため、デメリットが完全に消えて、メリットだけが残りました。

否定側は第二反駁で、リサイクルは実はいいことじゃないんだという反駁をしたのですが、第一反駁でその反駁が出ていたら、ターンアラウンドできていたかもしれません。実に惜しい試合でした。

丸森西中は、負けたと言え、非常にいい準備をしてきていることがわかるチームでした。まだ試合経験が浅いためにどこで勝つかが見えていなかったけれど、聞くと若いチームということで、これからが楽しみです。

さて、ここまでは主審だったのですが、残りの二試合は腹心ということで、ちょっと気が楽です。気が楽と言っても手を抜く訳ではありませんが、判定後のスピーチまで考えながらジャッジをするのとどうでないのとでは心理的な負担はかなり違います。

4位同士の交流戦ということで、勝った方がこの日初勝利になります。対戦は、丸森西中(肯定)と青葉中(否定)。丸森西中は、くじ運が悪かったとしか言いようがないですね。関東大会だったら、けっこういい所まで行ったかもしれません。

この試合でも、「ゴミ減量」というメリットを出していましたが、けっこういい資料を入れてゴミが減ることまでは証明が出来ていました。ただ、住み良い社会という重要性が具体的でなかったため、否定側からもそこをかなり突っ込まれていました。

青葉中のデメリットは、前の試合と同じでした。前の試合で腹痛を訴えていた立論の子が復帰したので、読み切れていなかった立論をこの試合では読み切っていました。ただ、やはりちょっと弱いなあという印象は変わりませんでしたが。

試合は、レジ袋が減る分減量できるゴミの量と、過剰包装によって生まれるゴミの量のどちらが多いかという点で判定が割れました。

「え、割れるの?」と否定側に入れた方のフローを見ましたが、どうやら証拠資料の証明力をかなり高く評価したみたいです。

2−1で肯定側の勝ちとなりました。